外食産業の外国人雇用から考える環境問題【ラジオ放送㉓】

※浜田化学が月に1度ゲスト出演する環境番組『正木明の地球にいいこと』(ラジオ関西)2024年9月2日放送回

今回は浜田化学代表の岡野と、株式会社ヒロフードサービスの井上社長にゲスト出演していただき、「外食産業の外国人雇用から考える環境問題」についてお届けしました。

株式会社ヒロフードサービスの井上社長は、大阪を中心に飲食店のフランチャイズ展開をしながら、外国人の適正雇用をテーマに活動されており、大阪外食産業協会でご縁をいただいたことをきっかけに適正な外国人雇用の推進に向けてご一緒させていただいています。代表の岡野が知るなかでも”1番熱い人間”という井上社長と共に、外食産業の外国人雇用という視点から考える環境問題について議論しました。

目次

■飲食業界と環境問題のつながり、課題とは?

近年相次ぐ原料価格の高騰。みなさんのお近くの飲食店でも、最近メニューの値段が上がった…などの経験ありませんか?こうした原料高騰の背景には、実は気候変動や環境汚染による生態系の変化など、大きな問題が隠れています。

しかし、飲食店を経営する立場から捉えると、原料の仕入れには業者を介入している場合が多く、実際の生産現場が抱える問題や環境の変化など価格高騰の根本的な原因に気づきにくい傾向があります。

生産現場の課題が見えづらい分、環境への配慮という点は相当意識をして取り組まなければならず、プラスチック製品を木製や生分解性のものに変えたり、オーガニックや国産のものを選んだりという選択にはコストがかかってしまうものも多いために、まだまだ業界として環境への課題意識が低いのが現状。

「外食業界」と一言で言っても、価格を重視した戦略を取る飲食店もあれば、環境に配慮したものを選び高付加価値で提供する飲食店もあったりとその業態もニーズも様々です。外食産業の環境意識を底上げするには、お店を選ぶ私たち消費者側も一丸となって意識を変えていく必要があります。

■人材不足に対する対応

飲食業界の大きな課題として、帝国データバンクの調査によると約7割が直面しているという「人材不足」の課題。どういった対策をとっているのか、外国人雇用に取り組む井上社長は、「うちの会社は人材不足ゼロです」と答えます。

「人材不足の根本的な課題は、労働生産性の悪い飲食業界のかたち自体にあると思います。実際は、高い給料がもらえて労働環境が良ければ企業は選んでもらえる。いま日本で働いている外国人たちも、ずっと日本に居続けたいという人もいれば、一時的な出稼ぎとして来ているという人もいたりと様々です。これらの人たちのバランスをとって、整備できる環境を日本につくることができれば、人材不足という課題はなくなると考えています。」

この仮説を実証するためにも、現状従業員の約9割が外国人だというヒロフードサービス。

「ダイバーシティにこだわり色んな人たちが色んなチャレンジをするという会社に変えました。そうすると、外国人の子たちの間で”あそこの会社は働きやすい”と口コミが広がり、結果的に人手不足はなくなりました。」

適正な雇用が人材不足を解消し、逆にいまは働きたいという外国人を他の企業にも紹介しているといいます。

■外国人雇用から見えてきた環境に対する意識の違いとは?

外食産業で外国人雇用を展開する井上社長、そしてリサイクル事業で外国人採用も行っている浜田化学。海外の人と一緒に働くなかで、環境に対する課題意識の差も見えてきます。

「電気を消したり、水をこまめに止めたり、ささいな行為がどういう環境負荷やお金につながっているのか、貧困で教育を受けることができなかった人たちやそもそもインフラがない環境で育った人たちは”環境”という観点で物事を考えるまでに至っていない。」世界的に環境問題が進む背景には、教育不足や貧困が密接に関係しています。

ごみが街を埋め尽くすような光景も広がる途上国から、働き口がないために出稼ぎに来る人も多いなかで、労働力を搾取するのではなく、適正で働きがいのある雇用を通して日本の外食産業が提供できることは多くあるはず。

こうした外食産業の現場の選択が、まわりまわって環境問題の改善にもつながっていくのではないでしょうか。

■正木明の地球にいいこと/ラジオ関西 https://goodoftheearth.wixsite.com/home